子供がスポーツを始めると、練習や試合で一生懸命頑張る姿を見る機会が増えます。親としては頑張って走り回っているだけで嬉しく、誇らしい気持ちになります。
ですが帰ってくるとつい、しかし、家に帰るとつい「もっとこうしたほうがいい」とダメ出しやアドバイスをしてしまうことも。ましてや、自分が経験している分野なら、なおさらコーチングしたくなるものです。
けれど、ワタシは娘が始めたバスケットボールについて、あえて「口を出さない」と決めています。今回はその理由や背景、そしてワタシなりの考え方についてお話しします。
娘がバスケを始めた理由と背景
長女は、ワタシが趣味でバスケットボールをしている影響もあって、小さい頃からよく一緒に体育館へ連れて行っていました。
そのため、ボールに触れたり、体育館で過ごしたりすることには自然と慣れていきました。遊びの延長でバスケットボールを楽しむことはありましたが、特に「やってみたら?」とワタシから勧めることはありませんでした。
そんな長女が小学1年生の時、家に1枚のチラシが届きました。それは「バスケットボールクラブの体験会」の案内。開催場所は長女の学校です。
興味を持った長女が体験会に参加したところ、とても楽しんだようで、自分から「クラブに入りたい!」と言い出したのです。こうして、彼女のバスケットボール生活がスタートしました。
パパがコーチングをしない理由
ワタシのバスケットボール歴は、独学そのものです。実際、誰かに指導を受けた経験がほとんどありません。だからこそ、娘に「ここがダメだ」と気づいても、それをどう直せばいいのか具体的なアドバイスができないんです。
一方で、長女はバスケットボールクラブに所属し、経験豊富なコーチからしっかり指導を受けています。この環境で、ワタシが余計な口を挟むと、コーチのアドバイスと矛盾してしまうかもしれません。そんなことがあれば、長女が混乱するだけです。
それに、スポーツは「基礎」がとても大事です。特に初心者の段階では、正しいフォームや動きを身につけることが成功のカギだと思っています。ワタシの中途半端な知識で間違った方向に進ませるのは、むしろ危険です。
だからこそ、ワタシは娘のバスケットボールにあえて「何も言わない」という選択をしています。
パパが指導することについて思うこと
公園などで見かける親子が一緒にスポーツを練習している光景。微笑ましく思いながらも、「どうなんだろう?」とつい考えてしまいます。
その練習は、親がやりたくてやっているのか、それとも子供自身が本当にやりたくて取り組んでいるのか。親には適切に指導できる知識があるのか。そんなことが気になってしまうんです。大きなお世話だと分かっているのですが、どうしても目がいってしまいます。
例えば、子供がやる気を失っているのに親が無理に指導を続けると、そのスポーツが嫌いになってしまうかもしれません。また、親が間違った方法で教えてしまえば、効果のない練習が続いたり、逆に子供の可能性を狭めてしまうこともあるのではないかと思うのです
ワタシ自身も子供の頃、父がサッカーをやっていたことから、少し似た経験をしたことがあります。父のアドバイスや指導を受ける中で、楽しいはずのスポーツが少し、つまらなく感じてしまった瞬間がありました。もちろん、全ての親子がそうだとは思いませんが、私自身にはそんな記憶があるため、こうした考えを持つようになったのかもしれません。
ワタシは40歳になっても趣味でバスケを続けており、観戦もプレイするのも大好きです。そして娘もバスケットボールを始めています。けれど、ワタシは好きでやっているだけで、専門的な知識や技術を持っているわけではありません。だからこそ、頑張っている娘に中途半端な知識でアドバイスをするのは避けたいです。娘の成長には、ワタシが余計な口出しをしないほうが良いと考えています。
娘の成長を信じる、パパのサポート
知識や専門的なアドバイスは与えられなくても、頑張っている娘に対して、親としてできることはたくさんあります。
応援する
試合や練習、そして家でも――いつでも「パパは応援しているよ!」という気持ちを、言葉や態度で伝えるようにしています。結果は二の次。元気にやっている姿を見るだけで十分誇らしいんです。自信を持ってやっておいで!
環境を用意する
娘は週5でバスケットボールをしています。この環境を維持するには、ママとパパの協力が欠かせません。送迎や当番、道具やウェアの準備、そして会費もかかります。小学生でこんな環境、小学生の頃のワタシと変わってほしいです。
そして、ワガ家ではリビングでのボール使用も解禁しています。日々「ドンドン」「バンバン」と音を立てての自主練習です。夏休みのような長期休暇には、頼まれれば朝練だって付き合います。
褒める
試合や練習中にミスをすれば、監督に叱られるのは当然のこと。でも、外で叱られた上に家でも叱られたら、さすがにきついです。だから、叱り役は監督にお任せして、私はもっぱら褒め役です。どんなミスもチャレンジした結果、いくらでも褒めれます。
練習相手になる
ここが唯一のワタシの特権です!知識は無いですが、経験者です。普通のパパよりいい練習相手になります。娘のリクエストに応じて「ちょうどいいレベル」のプレイヤーを演じたり、いろいろな練習相手を務めたり。これがワタシなりの娘とのバスケットボールの楽しみ方です。
スポーツを通じて得られる成長
娘がバスケットボールを始めて3年。日々成長していく姿を見守る中で、親としての役割について多くのことを考えさせられました。
スポーツを通じて娘が得たのは、ただの技術や体力だけではありません。親以外の大人から叱られる経験や、年上の子たちに可愛がられたり、年下の子をお世話したりといった関係性の中で、人との関わり方も自然と学んでいきました。また、毎日の運動で食べる量が増え、体もどんどん丈夫になっています。
こうして成長する娘の姿を見ると、バスケットボールを始めたことで得られたものがどれほど大きいか、改めて感じます。そして、親としてのワタシにできるのは、口を出すのではなく、環境を整え、見守り、時には支えること。それで十分だと思っています。
「頑張れ」「楽しんでおいで」と送り出し、帰ってきた娘を笑顔で迎える。そんな関わり方をこれからも続けていきたいと思います。そして、娘がこれからもバスケットボールを通じて、自分自身でどんな成長をしていくのかを楽しみにしています。