もし子供の頃の自分が、今のワタシに会いに来たら

いつものように、慎ましく、平凡な毎日を送っていたワタシ。

すると、目の前に見覚えのある少年が立っている。

そして….『ウソだーーーー!!!!』と叫び走り去っていく少年。

そう…あの少年は子供の頃のワタシだったのです。

今回はこんなワタシの妄想の話です。

自分にウソはつけない。

ワタシは、定期的に“ある妄想”をします。
それは──
「胸を張って、今を生きているか?」
そんな自分への問いかけです。

他人には、ある程度の誤魔化しは効く。
でも、自分だけはごまかせない。

今のワタシには、あの頃に描いていたような“派手さ”はありません。
輝いているか?と聞かれたら、ちょっと自信もない。

でも──
くすんではいないんです。

これは、子供のワタシにどこまで伝わるかは分かりません。
でも、大人になった今のワタシから言わせてもらえば…

大半の大人は、派手でも輝いてもいない。
だけど、それが“悪い”わけじゃない。

むしろ、それが“普通の大人”です。

子供の頃の夢と期待

正直なところ、子供の頃に「何になりたかったか」は、あまりはっきり覚えていません。
むしろ――憧れそのものが、なかったのかもしれません。

小学校の卒業文集には、たしか「バスケ選手」と書いた記憶があります。
でもそれも、あくまで“なんとなく”です。
中学に入ってすぐ、自分の運動能力の限界をあっさり認めて、すぐに諦めました。

高校生くらいになると、漠然と
「お金持ちっていいな」とか
「起業して成功」なんて思ったこともあります。

ただし、ここが重要です!努力は、していません。

「なんだかんだ、どうにかなる」
そんな根拠のない期待だけは、ちゃっかり持っていました。

そしてその未来にあるのが、今のワタシ。
つまり、ごくごく普通のおじさんです(笑)

……でも、くすんでないだけでもスゴイと思って欲しいです。

今の自分を正直に見つめる

特に何かを頑張ることもなく、ワタシは社会に出ました。
何も積み上げてこなかったワタシは、当然ながら社会でも苦戦。
仕事は長続きせず、いろんな職場を転々としていました。

そんな中、ちょっと早めに結婚しています。たしか22歳くらい。
ですがこの結婚生活は、10年で終わりを迎えます。

たぶん、周りから見たら「失敗だったんだな」と思われているでしょう。
でも、ワタシの中では全然そんなことないんです。

その10年の中で得たものは、本当に多く。
もしあの結婚がなかったら、今のワタシはいないです。
そう断言できるほど、大切な時間でした。

子供はいなかったので、その10年は時間もお金も自由。
好きなように使って、好きなように生きました。
だからなのか――今のワタシには、物欲がありません…ほとんどありません。

そして今、ワタシは再婚して、娘がふたりいます。
かつての独身貴族ライフとは正反対の、いわゆる“普通の家庭”です。

まるで、人生を2回やってるみたいな感覚。

こんな贅沢、そうそう味わえません。
そりゃあ――くすみようがないです(笑)

子供の自分が来たら?

平日は仕事。
仕事が終われば、すぐに家事と育児。
休日は、家族サービスか、たまに一人で静かに過ごす時間。

そんな日常を目の当たりにしたら、少年のワタシはきっとガッカリすると思います。

しかし、
そんな少年に、ワタシはこう言ってやりたい。

この“平凡”は、ただの平凡じゃない。
これは、毎日のワタシの頑張りで積み上げた、とても尊い平凡

適当に過ごして、何も積み上げなければ、
人は“平凡にすらなれない”。

派手さ? 輝き?
それを求めるなら、それこそ想像を超える努力と継続が必要だ。

そして、
お金があることや、時間があることが、そのまま幸せに繋がるわけじゃない。

ワタシは、最初の結婚生活でこれを学びました。
時間もお金も自由だったけど、それだけじゃ満たされなかった。
自分のために使う時間は、やがて飽きる。

でも、
誰かのために使った時間やお金が、笑顔や感謝に変わって返ってきたとき。
ワタシは、本当の幸せってこういうことか、って思えたんです。

だから少年よ。
もし“お金が欲しい”なら、今のワタシを見てガッカリするだろう。

でも“幸せが欲しい”なら、安心してくれ。

……ただし、お金はないよ(笑)

さいごに

この、なんてことない平凡な毎日こそが、
かけがえのない毎日です。

子供の頃のワタシには、まだすべてを理解するのは難しいかもしれません。
でも、きっと
未来から来た“おじいちゃんのワタシ”がこれを見たら、涙を流して懐かしむでしょう。

そして、その涙を見て、今のワタシはきっと安心するんです(笑)

ワタシ自身、今の暮らしがそういう“価値ある毎日”であることに、ちゃんと気づいています。
だから、日々を噛みしめながら生きています。

せっかくこの世に生まれてきたんです。
楽しまなくちゃ、もったいない。

ワタシは、自分が“今”輝いていると思っています。

他人から見たら、そうは見えないかもしれない。

でも、角度を変えて、光の当て方をちょっと工夫すれば、誰だって輝く角度があるんです。

まぁ、自分で気づいていれば、それで十分なんですが(笑)

きっと、皆さんにも“輝く角度”が必ずあります。
もし、過去からかつての自分が訪ねてきたときは、
その角度でガンガンに照らしてあげてくださいね