「天使のくれた時間」という映画をご存じでしょうか?
ニコラス・ケイジが演じるジャックは、成功を収めた投資家であり、独身貴族。
ある朝目覚めると、もし過去に別の選択をしていたら…という「家庭を持った人生」を体験することになります。
成功だけを追い求めた独身時代とは違い、家庭を持つ生活ではお金も時間も好きには使えません。
最初は「こんな窮屈な人生は耐えられない」と元の人生に戻してほしいと願うジャック。
しかし、家族と過ごす中で徐々に「幸せとは何か?」と考えるようになります。
「自分にとって本当に大事なものは何か」
そんなテーマを深く考えさせてくれる映画です。
実は、ワタシにも「貴族時代」がありました。その頃の話を少しだけ。
20代で結婚したものの、最初の半年間は無職で、全然お金がありませんでした。
働くわけでもなく、フラフラしていたので、義両親の家に住まわせていただくことに。
家賃や食費込みで月2万円を渡すだけの生活。驚きの安さです!
それでも肩身の狭さを感じることなく、のびのびと過ごしていました。
義父母が離婚されていたため、義父と同居する気まずさもなし。
この生活が10年続きました。その間、働きながらも生活費は変わらず2万円。
子どももいなかったので、結婚しているのに独身貴族のような暮らしでした。
毎年海外旅行に行き、外食もしょっちゅう。好きなものを自由に買い、まさに気ままな日々。
これが10年続いた後、離婚しました。
この映画を初めて観たのは、再婚して間もない頃
子どもがいる新しい生活は、何もかもが新鮮で、お金や時間の制限がついても全然平気でした。
なぜなら、前の10年間で物欲は十分に満たされていたから。
「お金も時間も家族に使いたい!」そう思うようになっていたんです。
映画の中で、家庭に戸惑うジャックを見て「ワタシ、これジャックじゃん!」と共感。
通勤電車で観ていたのですが、思わず泣いてしまいました。
電車の中でオジサンが泣く…完全にアウトですね(笑)。
多分なんかしらのハラスメントです。
ジャックが息子のオムツを変えるシーン
おむつ替えが全然できないジャックを見て、娘のアニーが色々教えてくれた後に
あなた本物のパパじゃないでしょ?
あぁ違う。これは一瞬だけの仮の姿なの
本物のパパはどこ?
わからない。だがすぐに戻ってくるよ
顔作るの上手ね!エイリアンなんでしょ?パパにそっくり!
子供は好き?チョコレートミルクは作れる?
子供は時と場合による。チョコレートミルクは多分大丈夫!
誘拐したりしない?頭に何か埋め込むのもイヤ
わかった
(ここで満面の笑みに変わり)
地球へようこそ!!
ワタシはこのシーンが大好きです。
なんて良い子なんだ!突然やってきた宇宙人すら受け入れる優しさ。
そしてラストに雪の庭でアニーとジャックが遊んでる時
この時のジャックは完全に家庭の男。
そんなジャックにアニーが言った一言が
おかえりパパ(ニコッ)
これは泣く。電車でも泣きますよ。
家族でショッピングのシーン
ジャックがスーツを試着すると鏡に映るのは過去の成功していた自分、隣では家族が待っている。
これをもらおう
ちょっと、このスーツ2400ドル(36万円)もするのよ
さっさと脱いで、早く行きましょ
待てよ!違う。今、僕がどんな人生を送ってると思う?
何ですって!?
僕は、今より1000倍格が上になるはずだったんだ!
そんなに欲しいなら子供の学資保険で買えばいい!
そして、ジャックはスーツを脱ぎ現実に戻る。
ワタシの家族エピソード
映画を観て思い出したのが、家族で外食したときの話。
再婚後、家族でしゃぶしゃぶ食べ放題のお店「しゃぶ葉」に行きました。
妻が一番安いコースを選ぼうとしたとき、ワタシは「せっかくだから高いコースにしようよ!」と言いました。
でも、今思えば完全に間違いでした。
カップルのデートなら高いコースもアリ。でも、家族で楽しい食事なら、安いコースでも十分なんです。
大事なのは「何を食べるか」ではなく「誰と食べるか」。
今では家族みんなで楽しく、一番安いコースをおいしくいただいています!
「幸せとは、気づくもの」。
この映画を観てそう感じました。
失って初めて気づく幸せもありますが、実は気づいていないだけで、もうたくさんの幸せに囲まれているのかもしれません。
今の自分の現実は、かつて憧れていた未来。
そう思うと「もっと今を大切にしなきゃ」と気づかされます。そして、その大切な「今」は周りの人たちのおかげで成り立っている。
感謝が足りなかったな。ワタシも家族や周りの人にとって大切な存在になりたい。
深夜2時、ついつい語ってしまいました。
お付き合いいただき、ありがとうございます。おやすみなさい!